私の話は、
抽象的だ、わかりにくいと言われます。
何を考えているかわからない、と言われたこともあります。
私は、自分の考えていることを伝えるのが苦手です。
自分の正直な気持ちを表現して、批判されたり笑われたり、・・・嫌われたりするのがこわいからだと思います。
もっとも、自分が何を考えているのかわからなくて、感情を自分の中にとどめることも多いのですが。
中学生のころ、文章を書くのが好きでした。
日記というよりは、長期休暇中に出される宿題でどんなものを書こうか考えるのが楽しかったので、どんな本を読んでどう思ったか、どんなニュースを聞いてどう考えたか、をノートに書きためて、課題がでたときに、その中から選んでいました。
私の書いた作文や読書感想文は、毎回何かの賞に選ばれました。
ここでは、自分の言いたいことが言えるし、それを評価してもらえる。
そう思うと嬉しくて、張り切って書いていました。
当時の政治を批判した作文を書いたことがあります。
政治に興味があったので、とても時間をかけて納得いくものを書きました。
力作だと思った。
しばらく経って、国語の授業中、その作文の話になりました。
先生は、賞に選ばれたものはなかった、参加賞を渡すので名前を呼ばれたら前に来なさい、と言いました。
えぇ~、私、絶対選ばれると思ったのになあ、と思ったことを今でも覚えています。(笑)
参加賞はボールペンでした。
クラスメートが順番に名前を呼ばれ、ボールペンはどんどん少なくなります。
私の前の子の名前が呼ばれた後、私の後ろの子の名前が呼ばれました。
ん?先生、私の名前呼び忘れたのかな?
しかし、教卓から全てのボールペンがなくなっても、私の手元にボールペンはありませんでした。
誰かが、私の名前が呼ばれていないことに気付きました。
教室が少しざわつきましたが、先生は私を一瞥した後、教科書を開いて、授業を始めました。
いけないことを書いたのだ、と、ものすごく後悔しました。
家に帰って、お母さんに「そういえば、この前良い作文書けたって言ってたけど、あれ、どうなった?」と聞かれました。
私は笑ってごまかすことしかできませんでした。
自分の部屋に入って、号泣しました。
次の年の同じ題材の作文は、とても慎重になって書きました。
嫌われないようなことを書かなければいけない、そう思うとしんどくて、全然楽しくなかった。
私が書いたその作文は、今までで一番大きな賞に選ばれました。
国語の先生は、私をとても褒めてくれました。
私は家に帰り自分の部屋のドアを閉めると、前の年と同じように、泣きました。
高校生になって、私は全く文章を書かなくなりました。
母は、何かの作文コンクールの広告を見つけては私に教えてくれましたが、一度も書きませんでしたし、書けませんでした。
私は、自分を表現する場所を失ったと感じました。
自分が何を思っているのかわからなくて、苦しくて、でも普段から自分の話をあまり人にしないので、話すうちに気が楽になったというようなことを経験することもなく。
数行だけ書いた日記は3冊ほどあるのですが、今は本棚に隠しています。
大学生になっても、根本的には何も変わりませんでした。
自分が何を考えているかわからないし、周りの人に、私が何を考えているかわからないと言われます。
自分のこと、わかりたい。
文章を書くのは久しぶりです。
しっくりくる言葉も表現も全然出てきません。(笑)
でも、拙い文章を、少しずつ、できるところから、書いてみようと決めました。
それが、ブログを始めたきっかけです。